保険〜個人年金〜

個人年金保険は、老後の生活資金を準備するための私的年金で、企業年金公的年金だけでは足りない老後の生活資金の補完や上乗せをします。

個人年金保険は一時払いや分割払いで保険料を納め、契約時に定めた年齢に達すると、一生涯または一定期間、保険料に応じた年金を支給されることが特徴です。

契約者と被保険者が同一の場合、契約者が年金受取開始前に死亡すると、それまでに支払った保険料に応じた額が死亡給付金として相続人に支払われます。

個人年金保険には3種類ある。

個人年金保険のおもな種類は、確定年金・有期年金・終身年金の3つです。ここからは、それぞれの特徴についてくわしく見ていきましょう。

☆確定年金

確定年金は、契約する際に定められた年金受取期間中、被保険者の生存に関係なく支給されることが特徴で、受給期間は5年・10年・15年等と定められるのが一般的です。

万が一、年金を受け取っている最中に被保険者が死亡した場合は、相続人が年金または一時金として残りの年金を受け取れます。

☆有期年金

有期年金は「被保険者が生存していること」を条件として、定められた一定期間、年金が支給されます。
受給期間は、10年・15年等と設定できるのが一般的です。被保険者が死亡すると契約は終了するため、相続人の年金受け取りはありません。

また、有期年金のなかでも、被保険者の生死に関係なく、年金の受け取りが可能となる保証期間がついたものを「保証期間付有期年金」といいます。

☆終身年金

終身年金は、被保険者が生存している限り年金を受け取れる個人年金保険です。例えば、受給期間の開始を65歳と仮定すると、65歳から被保険者が死亡するまでの期間が、年金の受給期間になります。

被保険者の死亡で年金契約は終了するため、相続人への一時金や年金の支給はありません。

ただし、終身年金に保証期間のついた「保証期間付終身年金」もあります。

保障期間付終身年金
保証期間付終身年金であれば、保証期間中に被保険者が死亡した際、相続人が残りの保証期間に対応する年金または一時金を受け取れます。


個人年金保険料控除」は大きなメリット

個人年金保険料控除を受けられることは大きなメリットです。ただし、個人年金保険料控除を利用するには、次のような条件を満たす必要があります。

・税制適格特約がついている

・年金受取人が被保険者である

・年金受取人が契約者またはその配偶者である

・保険料の払込期間が10年以上ある

・確定年金や有期年金の場合、年金受取が60歳以降かつ年金受取期間が10年以上ある

個人年金保険は、被保険者が死亡した際に、死亡保障によって相続人へ年金が支払われるケースがあることもメリットといえるでしょう。

元本割れとなるおそれもありますが、長く契約を継続した後に中途解約すると解約返戻金を受け取れるため、年金受給開始前にまとまったお金を手にできます。

個人年金保険の注意点2つ

解約返戻金が払込保険料よりも少なくなる場合がある

個人年金保険を中途解約すると、払い込んだ保険料の総額よりも、解約返戻金のほうが少なくなるおそれがあるため注意が必要です。解約返戻金は、支払った個人年金保険料に対して解約返戻金がどれくらいになるかを表す「返戻率」によって計算されます。

返戻率は、生命保険会社や商品によって異なりますが、特に契約してからの期間が短い場合は返戻率が低い傾向にあるため、元本割れのリスクを考慮しなければなりません。個人年金保険の払込期間は長期にわたるため、契約は資金計画を立ててから行うことが重要です。

加入対象は原則満20歳以上60歳未満の方

原則中途解約は不可、受け取りは60歳以降

運用対象商品は投資信託や保険商品等があり、運用は契約者が行う

 

掛金が全額所得控除の対象になる

発生した利息や運用益が非課税になる

一時金受取の場合は退職所得控除、年金受取の場合は公的年金等控除の対象になる

今後、日本人の平均寿命はますます延びていくと予想されています。金融庁が発表した「老後2,000万円不足問題」にもあるように、老後の生活を公的年金だけで賄うのは難しいと考えられるため、何らかの方法で公的年金の上乗せを準備しましょう。

個人年金保険は、個人年金保険料控除を受けながら、老後資金を計画的に備えられる金融商品です。

個人年金保険へ加入する際は、メリット・デメリットを踏まえるとともに、老後にどのような生活を送りたいのかをしっかり考えておきましょう。